2016年9月23日金曜日

【名作】のび太「ありがとう、ずっと一緒にいてくれて」【ss】

1:2014/04/05(土) 01:43:27.56 ID:
しずか「着いたわよ、のび太さん」

のび太「…ああ、ようやくか。ちょっと、長かった気がするなぁ」

しずか「大丈夫?…今日はやめておいたら?疲れてるんだろうし」

のび太「大丈夫だよ。…それに、残された時間は少ないんだから」

しずか「…そうね。…ああ、懐かしい!やっぱり私達が生まれ育った町は…あんまり変わってないのね」

のび太「…そう?結構変わってるように思えるけど…?」



4:2014/04/05(土) 01:46:18.29 ID:
しずか「そんなことないわよ。…ほら、あそこの本屋さん。…まだあるのねぇ」

のび太「本当だ。…よく、あそこに漫画買に来てたなぁ」

しずか「私はよくお稽古の本とか…。勉強に…バイオリンに…」

のび太「ふふふ」

しずか「あら?どうしたの?」

のび太「ん?あー…しずかちゃんは、バイオリンだけは上手にならかったなーって」

しずか「もう!酷いわ…のび太さん」

のび太「ごめんごめん。…それじゃあ、行こうか」

しずか「ええ。…大丈夫?疲れたらいつでも言ってね」

のび太「大丈夫だよ。…ゆっくりとなら、ね」






6:2014/04/05(土) 01:48:55.77 ID:
しずか「…あ、あれ!」

のび太「ああ、小学校!…まだあるのか…って、当然か」

しずか「そうでもないわよ。最近は廃校が多くなってるって聞いてるし…。ここは…ちゃんとあるのねぇ」

のび太「よかったぁ。…ああ、思い出すなぁ。小学生の頃」

しずか「のび太さん、よく遅刻してたものねぇ」

のび太「それに運動神経悪くて…テストも0点。…ああ、何やってたんだろう」

しずか「ふふふ。懐かしいわねぇ。…まるで、つい昨日のことみたい」

のび太「…そうであれば…どれだけ嬉しいかなぁ」






8:2014/04/05(土) 01:51:57.32 ID:
しずか「あらそう?…私はそうは思わないけどなぁ」

のび太「…なんで?しずかちゃんは、過去に戻りたいとか思わないの?」

しずか「思うわよ。…でも、もしまだ小学生なら…のび太さんと結婚してないじゃない」

のび太「…あ」

しずか「…私ね、のび太さんと結婚出来て…本当に幸せなの。だから」

のび太「小学生までは…戻れないかぁ」

しずか「そう。…ありがとうね、のび太さん。ありがとうね…」

のび太「……こちらこそ、ありがとう。…しずかちゃん」

しずか「…のび太さん…のび太さん……のび太さん……」

のび太「………次、どこに行こうか」






11:2014/04/05(土) 01:54:49.38 ID:
しずか「…あ、ごめんなさい」

のび太「いいんだよ。…よし、行こう」

しずか「そう、ね。…あ、裏山でも行く?」

のび太「裏山かぁ…。さすがに体力が持つ自信がないなぁ」

しずか「そうね。…じゃあ、どうする?」

のび太「……座りたい」

しずか「え?…あ、ああ。ごめんなさい。休憩したいわよね。…じゃあ、そこの喫茶店にでも…」

のび太「そうじゃ…なくて」

しずか「え?」

のび太「空地の……土管にまた……座ってみたいなぁ」






13:2014/04/05(土) 02:00:16.06 ID:
しずか「……そうね。……まだあるかしら?空地…」

のび太「あるといいんだけどなぁ。…僕たちがこの町を出るときは、まだあったし」

しずか「そうねぇ。子供が遊べる場所なんて、あそこぐらいしかなかったものねぇ」

のび太「ああ…だから、きっとあるさ…きっと」

しずか「…空地…かぁ。懐かしいわねぇ」

のび太「そうだね。…あそこで、僕達はずっと遊んでた。…サッカーやって、漫画を読んだり、野球やって怒られたり」

しずか「それは、のび太さんたちがカミナリおじさんの家にボールをいれちゃうからでしょう。ふふふ」

のび太「そうだねぇ。…それに空地って、僕達の何かの出発点だった気がする」

しずか「出発点?」

のび太「ああ。何か冒険するにしても、イタズラするにしても、遊ぶにしても…何にしても…そこが僕たちの出発点だった」






18:2014/04/05(土) 02:03:56.11 ID:
しずか「そういえば、そうだったわねぇ。…ふふふ、そういえばあそこでタケシさんのリサイタルもあったわ!」

のび太「あったあった。…あれは酷かったなぁ。…よく、ドラえもんの道具でどうにかしてもらおうとしてたっけ」

しずか「そうね、ドラちゃん…。……ドラちゃんが……」

のび太「…あ、ごめん。…でも、ついつい懐かしくなっちゃって」

しずか「…いいのよ。それに、ここ数十年のび太さんの口からドラちゃんの事なんて聞けてなかったから」

のび太「そうか。…そんなに僕、ドラえもんの事を避けて…」

しずか「あ、あったわよ!空地よ、のび太さん!」






20:2014/04/05(土) 02:06:02.05 ID:
なにがあったのか期待






25:2014/04/05(土) 02:09:01.45 ID:
のび太「ああ、あった!…あった…空地が……」

しずか「…あ、土管もあるし…あのままだわ!…不思議ねぇ。まるであのままみたい」

スネ夫「…まるで、じゃなくて…あのままにしておいたんだよ」

のび太「…スネ夫!」

スネ夫「やあ、二人とも久しぶり。…まったく、来るなら連絡ぐらいしてくれよな」

のび太「スネ夫。…どうして君が…」

スネ夫「知り合いが、駅でのび太としずかちゃんらしい人を見かけたっていうもんだから…心あたりがある、ここに来たんだよ」

しずか「それなら、携帯で声をかけてくれたらよかったのに…」

スネ夫「そんなことしなくたって、ここに来るって…分かってたからな。だから、僕はここを買い取ったんだ」

のび太「買い取ったって…スネ夫が?」

スネ夫「ああ。大分前になるけど…ここを買い取ってね。…そのままにしておいたんだ。…ここは、僕達の思い出の場所だからね」






27:2014/04/05(土) 02:13:27.44 ID:
のび太「…そっか、ありがとう。スネ夫」

スネ夫「ははは!…別にのび太のためだけにやったわけじゃないさ…僕達…友達の…仲間のために…」

しずか「スネ夫さん…」

スネ夫「それに、今の子供たちのためにもね。…彼らには、遊ぶ場所が必要だろう?」

しずか「ふふふ。スネ夫さん、優しいのね」

スネ夫「そんなんじゃないよ。…ただね、昔を思い出して…子供が欲しい場所って…ここなんだって思えてきて…」

のび太「スネ夫は昔から…素直じゃないよね」

スネ夫「なんだとぉ!のび太のくせに生意気だ!…ただ僕は、ここを残したかっただけなんだ。皆が集まれて、遊べる場所を」

しずか「いい場所ね…」

スネ夫「放課後や週末になると、よくここに小学生が来るんだ。…懐かしいだろ、まるで昔の僕達みたいだ」






28:2014/04/05(土) 02:13:47.52 ID:
ドラえもんがいなくなるってだけで泣ける






30:2014/04/05(土) 02:18:16.54 ID:
のび太「本当に…懐かしいね」

スネ夫「はは。…さて、僕はそろそろ行くよ」

しずか「もう、行くの?」

スネ夫「ああ。…二人とも、よかったら家に来てよ。酒ならいくらでもあるし」

のび太「ありがとう。…時間があったら、よらせてもらうよ」

スネ夫「ははは!…これは、いい酒用意しとかないとな。…じゃあ、また後でな!」

しずか「ええ!……スネ夫さん、昔と変わらないわねぇ」

のび太「ああ。優しくて…そのくせちょっとまがってて…でも、それはただ不器用なだけで」

しずか「ふふふ。やっぱり、皆変わらないものなのねぇ」

のび太「…いや。…変わったよ…僕…だけはね」

しずか「のび太さん…」

のび太「よし、次行こうか!…どこ行こうかなー」






37:2014/04/05(土) 02:24:32.70 ID:
しずか「そうね。…とりあえず、歩いてみましょう。それから考えればいいわ」

のび太「そうだね。…皆、そんなに変わってないなぁ。この町の風景も」

しずか「いいことよ。…皆が懐かしくなれる場所って、素敵じゃない」

のび太「素敵……だよね。変わらない事って」

しずか「そりゃ、勿論変わっていいことはあると思うわよ。…でも、こういうのは…変わらないでほしいわ」

のび太「僕達が町を出てから…何も変わらなかったんだなぁ」

しずか「変わった事、あるとは思うわよ。…ほら、あそこの喫茶店。前はタバコ屋さんだったもの」

のび太「…そうだっけ?」

しずか「そうよ。…私ね、よくお父さんに煙草を買ってきてってよく頼まれてたなぁ」

のび太「そういえば…タバコ屋があった気がしてきた…」

しずか「そこのおばあちゃんったら、お客さんがくるまで、いつも居眠りしてたなぁ…。ふふ、今じゃ考えられないわね」

のび太「多分…今でもそういうことがあっても、この町の人なら許してくれるよ。きっとね」






40:2014/04/05(土) 02:29:06.17 ID:
しずか「あ!」

のび太「どうしたんだい?」

しずか「ここって、タケシさんのお店よね?」

のび太「え?…ああ、スーパー剛田だっけ?…確か、チェーン展開してるんだよね」

しずか「ふふ、まさかこんなに大きな店になるだなんて…あの時は思ってもみなかったなぁ」

のび太「ジャイアンってば、よくおばさんに『店番さぼるな!』って、よく怒られてたなぁ」

しずか「そうそう!それでよく、空地まで逃げてきてて…結局見つかって連れ戻されて…」

のび太「あったなぁ、そんなこと」

ジャイアン「…お?のび太?しずかちゃん…?おお!やっぱり二人じゃねーか!」

のび太「あ!ジャイアン!」

ジャイアン「おお心の友よ!…なんだよ、こっちに帰ってきてたんなら連絡しろよー」

しずか「ふふ、やっぱりスネ夫さんと同じこと言われるのね」






45:2014/04/05(土) 02:35:49.77 ID:
のび太「ごめんごめん。…あいかわらず、忙しいのかい?」

ジャイアン「まあな。しかしよ、のび太。お前やスネ夫、しずかちゃんのためなら、いつでも休みをとるぜ」

のび太「ありがとう…ジャイアン」

ジャイアン「なぁに、心の友の頼み事は放っておけねーぜ。…ん?そういえば、さっきスネ夫から飲みの誘いがあったけど」

しずか「もしかして…皆で飲む気なのかしら?」

のび太「これはもう、飲まずには帰れなくなっちゃったなぁ」

ジャイアン「そういうことだ。中学高校の時のダチも呼ぶらしいから…絶対に来いよぉのび太ぁ!」

しずか「あらあら、大変ねぇのび太さん」

ジャイアン「何せ、のび太としずかちゃんが帰ってきたんだからな。…皆集まるに決まってるぜ!」

のび太「……ありがとう。ジャイアン」

ジャイアン「なぁに。当然のことよ。…お、俺様はもうちょっと仕事があるからまた後でな!…じゃあなー!」






47:2014/04/05(土) 02:40:03.22 ID:
のび太「相変わらず強引だなぁ…。あの二人は」

しずか「そうね。…ふふふ。それにしてものび太さん、皆に慕われてるのねぇ」

のび太「僕だけじゃないよ。…しずかちゃんだって、スネ夫だって、ジャイアンだってそうだ」

しずか「そうね」

のび太「何かあったらすぐにかけつけるし、僕達はすぐに助け合うんだ」

しずか「ふふ。…次はどこに行く?」

のび太「久々に…実家に帰ろうかな。…しずかちゃん家は、実家に帰りたいかい?」

しずか「私はいいわ。明日でも…。それじゃあちょっと遠いからタクシーでも捕まえて、行きましょうか」

のび太「ありがとう。ちょっと疲れてたんだ。…それじゃあ行こうか」






50:2014/04/05(土) 02:43:31.03 ID:
しずか「久しぶりねぇ、のび太さんのご実家」

のび太「本当に久しぶりだよ。…懐かしい。この道も、この景色も…昔はよく見てたんだけどなぁ」

しずか「学校の帰り道とかね。…私もよく、見てた気がするわ」

のび太「…本当に、懐かしいなぁ」

しずか「…ついたわよ、のび太さん。…ほら」

のび太「ああ、ありがとう。……ただいま」
ガチャ
しずか「おかえりなさい、のび太さん」






54:2014/04/05(土) 02:48:28.17 ID:
ママ「……どなたぁ?鍵はしてあった…あら、のびちゃん!それにしずかちゃんまで…まあ、どうしたの」

のび太「こっちに来たくなってね。…ただいま、ママ」

ママ「まあまあ、遠くからご苦労様。…ほらほら、二人とも座って」

しずか「ありがとうございます」

ママ「…パパ、二人が来てくれましたよ。よかったですねぇ」

のび太「パパ、きたよー。…こっちは元気にしてました」

ママ「…パパ、きっと喜んでるわよ」

のび太「そうだといいけどね。…この遺影、変えたら?これ若いころでしょ?」

ママ「いいのよ。…このころが私達の…最高の時間だったんだから」

しずか「最高の時間…いいなぁ」

ママ「パパが仕事に行って…のび太が遅刻して学校に行って…ドラちゃんと話して…楽しかったわ、あの時」






56:2014/04/05(土) 02:49:44.97 ID:
パパ...






57:2014/04/05(土) 02:51:10.24 ID:
パパ…
マジかよ






59:2014/04/05(土) 02:55:00.22 ID:
のび太「そうだね。…楽しかったね」

ママ「さて…あらあら、ごめんなさい。お茶も出してなかったわね。今、出すわ」

しずか「いえ、いいんですよお義母様…私がやりますから」

ママ「そう?…ごめんなさいね」

しずか「はい。…それじゃあ、お茶いれてくるね」

のび太「頼んだよ」

ママ「ふふふ、いい子だわ。しずかちゃんって…ほんと、アンタはラッキーな男ね」

のび太「…ママ、それよりさ…僕達と一緒に」

ママ「暮らしませんよ。…あなた達とは一緒に…暮らせません」

のび太「ママ……」

ママ「私はね…ここで骨を埋めるって決めたのよ。私の愛した…パパと一緒に、ここで死にたいの。…お願い、好きにさせて」

のび太「じゃあ!僕達がこっちで暮らすから!」

ママ「駄目よ!…約束したじゃない!ここを出て、しずかちゃんを幸せにするって!…アンタ、パパとの約束…破るの?親のために…親との約束、破るの?」

のび太「ママ……」

ママ「のびちゃん…。あんたはね、強い子。だかね、私を助けたいって気持ちは分かるの。…だけどね、駄目よ。…お願いだから、パパとの約束は…守って」






63:2014/04/05(土) 03:01:21.51 ID:
のび太「ママ、でもそしたらママが…」

ママ「私は大丈夫。…ヘルパーさんっだっているし。それに、今の世の中そんなに不便じゃないですし」

のび太「…ママ、寂しくない?」

ママ「大丈夫よ。…パパだって、ドラちゃんだっているし…それにね、のび太。あなただって…こうやって顔を見せに来てくれるじゃない」

のび太「ママ……」

ママ「のび太、母親は強いのよ。…だから、大丈夫。私は、あなたの幸せが一番うれしいの。…だから、お願い……幸せに……生きて……」

のび太「ママ…もしかして」

ママ「言ったでしょ、私はあなたの母親。…何か異変があったら、すぐに気付くわよ。…馬鹿ねぇ、強がっちゃって…。ほんと、アナタは昔から変わらないんだから」

のび太「ママ……ごめんよぉ。ごめんよぉ……ごめんよぉ!!」

ママ「いいのよ、のびちゃん…。でもね、一つだけ約束して……私より……一日でもいいから……生きて。そして、幸せでいて」

のび太「ああ……うん。約束するよ……ママ」

ママ「うん。それでこそ私ののび太だわ!…そうそう、ドラえもんに挨拶したら?」

のび太「……そう、だね。…じゃあ二階に行くね」






66:2014/04/05(土) 03:08:49.43 ID:
ガラガラガラ
のび太「…変わってないな、この部屋。…久しぶりだね、ドラえもん」

のび太「君と…別れて、どれぐらい経つのかな?…見てよ、ドラえもん。…僕ね、こんなに大きくなったんだよ!」

のび太「お酒はとうの昔に飲めるようになって、しずかちゃんと結婚して…子供もできて…皆、ドラえもんのおかげだよ」

のび太「君が去った後に、机の上に…この写真を飾るようになってから…。本当にあっと言う前に時が経ったって…今改めて思うよ」

のび太「あの時とは変わって、机の引き出しはもう元に戻って…本当に、寂しかったんだ」

のび太「どうしてあの時、君が壊れたんだって…ずっと考えてた。けど、それはある意味当たり前だよね。…人間にも、ロボットにも寿命はある」

のび太「…ありがとう、ドラえもん。ありがとう、君がいてくれたおかげで、今の僕はあるんだ」

のび太「ありがとう、ずっと友達でいてくれて。…でも、ごめんね。…そんな君を僕は忘れようとしてた」

のび太「思い出すのが辛くて…。君との会話、喧嘩、食事、冒険…何もかもが辛くなっていく…だから…僕は忘れようとしてた。ごめん」

のび太「ごめん…ごめんよぉ…ごめん…ドラえもん」






67:2014/04/05(土) 03:08:55.51 ID:
のび太
やはり…






70:2014/04/05(土) 03:14:44.53 ID:
=================================
ガタンゴトンガタンゴトン
スネ夫「いやー、昨日は久々に飲んだ飲んだ」

ジャイアン「ははは!でも楽しかったよなぁ、のび太!」

のび太「そうだね!ありがとう、二人とも!」

しずか「お世話になりました」

スネ夫「良いってことよ!…あいてて、ふ、二日酔いが…」

ジャイアン「無理すんなっての…お、電車来たぜ」

のび太「あ…じゃあ、ありがとうね。…また」

スネ夫「ああ、またな!」

ジャイアン「今度はそっちに遊びに行くからな~」

しずか「それじゃあ、行きましょうかのび太さん」

のび太「ああ…」
プシュー






74:2014/04/05(土) 03:20:27.33 ID:
ジャイアン「……うぅ……のび太のくせに…無茶しやがって…うぅ」

スネ夫「ジャイアン…やっぱり知ってたんだね」

ジャイアン「あの馬鹿…。どれだけ無理すれば気が済むんだ」

スネ夫「まだ死ぬって決まったわけじゃないんだし。…そりゃ、成功率が低い手術だとしても…きっと、のび太なら大丈夫だよ」

ジャイアン「くっそ…どうして…こういう時に俺達は何もできねーんだよぉ!」

スネ夫「でもさ…のび太の顔」

ジャイアン「え?」

スネ夫「幸せそうだった。…いや、皆で集まった時…本当に幸せな顔してたよ」

ジャイアン「そうだったな…。あいつ、心から楽しんでやがった」

スネ夫「僕達もだけどね。…これで、少しは安心してもらえるかな?ねえ、ドラえもん」

ジャイアン「すまんドラえもん…これが、俺達にできる精一杯だ。…のび太の幸せな顔ぐらいしか…」

スネ夫「のび太、死ぬんじゃないぞ」






76:2014/04/05(土) 03:24:15.97 ID:
==========================
しずか「私達の席は…えーっと…えーっと……」

のび太「ありがとう…皆、ありがとう…」

しずか「思い出探しの旅…どうだった?のび太さん」

のび太「よかったよ。…皆とあえて、また遊べて…とっても楽しかった」

しずか「そう、ならよかったわね。…よかったわ」

のび太「また、来れるようにしないとな…」

しずか「のび太さん…!」

のび太「ああ…大丈夫…絶対に戻ってくるさ」

ドラえもん「約束だよ、のび太くん」






79:2014/04/05(土) 03:30:08.18 ID:
のび太「え?…ドラえもん?」

ドラえもん「約束だよ、きっと戻ってきてくれるって…約束だよ!」

のび太「……ああ、約束……するさ。ドラえもん」

ドラえもん「もう、何泣いてんのさ!ホント、のび太くんは泣き虫なんだから…」

のび太「ごめん…泣いちゃ…駄目だよね…」

ドラえもん「のび太くん、君は強い子だから大丈夫だよ。…それにね」

のび太「それに?」

ドラえもん「僕は…ずっと君のそばにいるよ。だって…僕達はずっと友達じゃないか!」

のび太「…そうだったね。ドラえもん。僕たちはずっと…ずっと友達だよね!」

ドラえもん「ああ、ずっと友達さ!…だから、必ずもう一度この町に戻ってくるんだよ!」

のび太「……うん!約束するよ!」

ドラえもん「よく言ったぞのび太くん!…じゃあ、待ってるからね!」






81:2014/04/05(土) 03:32:48.64 ID:
しずか「えっと…席は…あ、あった!…あら?どうしたののび太さん?」

のび太「え?あ…そこにドラえもんが……あれ?」

しずか「ドラちゃん……?ドラちゃんが…どうかしたの?」

のび太「…いや、なんでもない。ごめん、なんでもないんだ」

しずか「そう。…のび太さん」

のび太「え?」

しずか「…これからも、ずっと一緒にいましょうね」

のび太「ああ…皆、みんな……ずっと一緒さ。…だよね、ドラえもん」

ドラえもん「ふふふふふふ」

                                  終






83:2014/04/05(土) 03:34:09.44 ID:
乙!泣いたー






85:2014/04/05(土) 03:37:11.90 ID:

泣けた






87:2014/04/05(土) 03:40:22.76 ID:
なんかノスタルジーを感じさせる作品ですね
また書くことがありましたら読ませてもらいます。

お疲れさんでした乙。

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